ビジネス 映画

ハウス・オブ・グッチに学ぶ、経営崩壊した原因?同族経営の事業継承の難しさとは?その1

映画はパトリツィア・レッジアーニ(レディー・ガガ主演)という中流階級の娘とグッチ創業者のグッチオ・グッチの孫で、ロドルフォ・グッチの一人息子マウリツィオ・グッチが、華麗なるグッチ一族の経営を崩壊へ導いてしまったという実話物語。

なぜ崩壊したのか?なぜ妻が夫の暗殺までに至ったのか?

華麗なるグッチ一族の生々しい実態、同族会社の事業承継の難しさをこの映画から垣間見ることができました。

映画を観る前の方は一部ネタバレになってしまうのでご注意ください。

-GUCCIの歴史

創業者:グッチオ・グッチ(Guccio Gucci)1881-1953年

創業: 1921年

創業地:イタリア フィレンツェ 

事業:バッグ・靴・財布などの皮革商品や、服、宝飾品、時計、香水、乗馬をモチーフとした皮革製品の製造、販売。

皮革が統制品となった時代は、革の代用品としてキャンバス地にコーティングを施して使用し、その配色が人気となる。

また、竹素材も代用品素材として使用し、バンブーの名でアイコンとして認識される。

「最上の伝統を最上の品質で、しかも過去のよいものを現代に反映させる商品作り」をコンセプトとし、世界で初めてデザイナーの名前を入れたブランド。

モノグラム:創業者グッチオ・グッチの考案した自らの頭文字をあしらったダブルGで表す。

現在:2004年にフランスを本拠地とする流通会社 Pinault-Printemps-Redoute(PPR)の傘下となり、グッチ・グループの株式の10%程度がLVMHが取得し、グッチグループはグッチ一族から手を離れる事になる。その後、2013年にPPRは組織改編によりケリングと改称、グッチの事業自体もケリングに引き継がれた。

引用:グッチ|Wikipedia より一部抜粋

Contents

1.パトリツィアとマウリツィオの出会い

二人の出会いは友人主催のパーティー。ただ、この出会いを運命と感じたのはパトリツィアの方だけだったろうなという印象。それは、パトリツィアがマウリツィオがグッチ一族の人であるという気づきから事が始まっているから。パトリツィアのしたたかな計画はここから始まったと言えます。偶然の再会を装い、まんまと引っかかるマウリツィオ。でも、したたかといわれればそうなのかもしれないけれど、好きな人を追っかけ、偶然を装う事ってあり得ますよね。ただただ、夢中だったのかと。恋ってそこまでしてしまう気持ちにさせる不思議な力あると思います!マウリツィオは彼女への愛を貫き、最愛の父に勘当される事に至っても尚、一切の後悔もなく一族の名を捨て、愛する人を選んだという、マウリツィオの本物の愛を物語った序盤でした。それも悪女と呼ばれるパトリツィアの思惑通り?であったのかはさておき、このままでも十分幸せになれたにも関わらず、、、なぜ二人は道を間違ったのか。

2.グッチのブランド向上に貢献したマウリツィオの親世代

創業者グッチオの死後、グッチ一族でビジネスに関連したのは息子の次男アルド、四男ロドルフォです。次男アルドは海外への道を切り開かせ、ブランドイメージの構築に力を注ぎ、グッチの名を広く浸透させたローヒールのモカシンを生み出した靴事業を始動させたり、各国に店舗を構える功績をも残している。四男ロドフォルフォは青年期に俳優として映画デビューを果たし、この俳優としてのコネクションにより、キャサリン・ヘップバーンやソフィア・ローレンスなどのスターをグッチの顧客とし、グッチブランドの価値を上げ、グッチの洗練されたブランドイメージの向上に大きく貢献した。創業者グッチオに継ぎ、大いにグッチに貢献してきたこの二人の功績とその歴史は惜しくも自分たちの息子の代によって、大きく変貌することとなる。

3.パトリツィアとマウリツィオの転機

パトリツィアと出会い、父に勘当されてまで貫き通した愛情深きマウリツィオ。グッチ一族の一員でいながら、マウリツィオは内気な性格の持ち主で元々はブランド経営にさほど興味を示すことがなかった人柄だったという。愛情深い夫の愛だけでは結婚生活を満足できなかったのはパトリツィアは、マウリツィオを本来の血筋の道へ戻したい一心、、いや自分がその道に乗る為の行動?だったのか。夫の仕事を応援する妻であったら誰もがそうするのではないかとも思ってしまうその考えは、これも彼女の思惑と言うべきなのか。転機はマウリツィオの父ロドルフォの兄であるアルドからの電話によって訪れる。老いた弟を想い、ロドルフォとマウリツィオの不仲を取り持とうと、自分の誕生日パーティーへ招待してくれます。これを機に閉ざされいたグッチ一族の門がまた開かれることになります。

4.ここまでのまとめ

ここまでのストーリーだと、普通の女性よりは欲望があることはあるだろうけども、私は彼女なりに彼を愛していたんだろうなという事をこの映画では解釈する。その先にグッチ一族の一員としての権利や財産の取り合いが出てくる可能性はあるものの、親から勘当されてまで結婚をしたマウリツィオの愛は本物であっただろうし、それを受け止めて、それまでを尽くした彼女はしたたかさだけではなく、愛もあったのではないのか、、、いやあったよ!と思うのです。人を惹きつけられた美貌とその人が持つ個性があるから実った愛であり、彼女がこらから起こる最後の結末にまで至ったのには、彼女だけではなく、グッチ一族から受けた影響も大いにあるのではないのか、、、人は欲望、財産、お金に弱い生き物なんでしょうね。あまりに大きすぎる華麗な一族に足を踏み入れると、別の人格が目覚めるものなのか。次の章では、一族が持つ権利と財産への執着、家族崩壊の原因についての解釈を綴ります。

-ビジネス, 映画